

東京から北に100kmに位置する栃木県宇都宮市。
東京までは新幹線で約50分と首都圏への
アクセスも良い街です。
また県北部には男体山をはじめとする那須の山々や
世界遺産にも認定された社寺のある日光があります。
そんな都会と自然豊かな風景に囲まれた宇都宮市は
豊富な水脈と肥沃な大地に支えられ
梨やイチゴ・アスパラガス・宇都宮和牛など
様々な農産物が作られています。
私たちのワイナリーは
宇都宮市内から日光鬼怒川方面に向かう
県道22号線(新里街道)沿いにあります
近年観光スポットとして有名な
大谷石の産地のから車で約10分、
他には道の駅ろまんちっく村や
素晴らしい竹林の「若竹の杜」があります。
特産物の新里ねぎは江戸時代から栽培され
現在ではGI認定されています。

HinoeWineryのある宇都宮市新里町について

私たちがワインづくりをはじめた理由

宇都宮にはおいしい食材があり、
そしてこだわりの飲食店も多く、
宇都宮産の食材で豊かな食卓を
作り上げることができます。
そんな中、ひとつ足りないのは
「宇都宮産ワイン」でした。
そこで、私たちは仕事を辞め
農業に新規参入・新規就農しました。
初めての農業は大変なことはもちろんでしたが
刺激的で、農業の尊さ・自然の恵みのすばらしさを
肌で感じるものでした。
紆余曲折あり、
はじめは露地野菜や原木椎茸を生産
醸造用ブドウ栽培にこぎつけたのは
就農から約9年目のことでした。
このことはいつかブログに書きたいと思います。
試行錯誤しながら、
醸造用ブドウを栽培、委託醸造に出せたのは2019年
初めて自分たちのブドウでワインを生産しました.
葡萄を収穫したこのとき、
初めてスタートラインに立てたような気がしました
それから・・
2023年ワイナリーを建て初醸造
firstvintageとなる
2023 Hinoeシリーズを発売
毎年がスタートラインです。
あなたにとってワインってどんな存在ですか?
ワインとどんな時間を過ごしたいと
おもっていますか?
いつの日か、ぜひ聞かせてください。




私たちが原木椎茸を作る理由

皆さんは原木椎茸ってご存じですか?
椎茸には菌床椎茸と原木椎茸があるんです。
どちらが良い悪いはありませんが、
菌床椎茸は安定生産・一定の品質が保てるので扱いやすいです。
原木椎茸、特に私たちが栽培する
自然栽培の原木椎茸は
山林から原木を切り出し、菌を植え付け、
そして寝かせ、椎茸を発生させます。
山の中で自然のままに栽培していきます。
そのため、収量は安定せず、雨が降ったり
乾燥が続くと品質が変わります。
原木椎茸の乾椎茸は古くからある
日本の文化です。
現代では冷蔵庫や輸送技術が発達し
またビニールハウスなどでの施設栽培技術も向上
生椎茸での販売も可能となっていますが
元来、生シイタケでの出荷は仕掛品であり、
乾して「乾椎茸」が完成品でした。
原木林の主であるクヌギやコナラは
原木椎茸栽培に使われ、
落ち葉は畑にすき込まれ肥料に
小枝は風呂や煮炊きのかまどにも使われ、
まさに里と山と人が一体となって
循環していました。
1950年代の燃料革命以降は
小枝が燃料として使われなくなることで
原木林自体の荒廃が進みました。
さらには原木椎茸栽培は重労働や高齢化、
東日本大震災による原発事故の風評被害などで
就労者は減少し続けています。
就農当初、県の林業センターでそのことを学び、
原木椎茸と里山の在り方に心を打たれ
ブドウの畑を借りられるまでの間、
原木椎茸の栽培に取り組み始めました。
原木椎茸の世界は奥が深く、
のめり込んでいったのは言うまでもありません。
同時に、日本の食文化として
大切に残していきたいものだと強く感じました。
現代では、里山の時間の流れと
人の暮らしの時間の流れは
随分スピードが違うと思います。
自然との対話は
すぐに結果が出るものではありませんが、
私たちの活動が少しでも食文化の継承、
里山の保全につながる何かになれたら
いいなと思い作り続けています。
椎茸とワイン全く別のもののようでどちらも
目に見えない菌の仕業なんです。
不思議な自然の営みですね。
菌の世界、一度感じてみたいと思いませんか?
(現在、原木椎茸の出荷は契約していただいている方々のみの出荷となっております。)